定住性生物 東日本地区
east-japan

イヌワシ

鳥類

学名:Aquila chrysaetos
保全状況:絶滅危惧種ⅠB類 (EN)
分類階級:タカ目タカ科イヌワシ属
上位分類:イヌワシ属
体重:オス: 3.6 kg メス: 5.1 kg

イヌワシは、日本の山岳地帯に生息する最大の猛禽類です。全長はおよそ90cm。 翼は板状で長く、広げると200cmほどにもなります。 急峻な山々を背景に、翼を広げて大空を舞う姿はまさに雄大です。 日本にはイヌワシ、オジロワシ、オオワシの3種のワシがいますが、 北海道から九州まで山岳地帯で周年暮らすのはイヌワシのみ。 わが国で昔から「ワシ」と呼ばれてきたのはイヌワシのことが多いようです。 呼び名に「鷲」がつく山などはイヌワシの生息地だったことに由来すると思われます。 漢字では「狗鷲」とも書きます。 突き出た鼻を思わせる大きなくちばし、うちわのような翼などから、 各地に伝わる天狗伝説にもイヌワシが関わるという説があります。 山岳地帯の開放地や落葉広葉樹林でノウサギやヤマドリ、ヘビなどを狩ります。 秋が深まる10月頃から繁殖活動をはじめ、急峻な崖の岩棚などに巣を作ります。 戦後の大規模な自然林の伐採などによって狩り場が失われ、 現在では全国でわずか500羽ほどの生息が推定されるのみ。 九州・四国では絶滅状態にあるといわれます。